冒険の理由

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 火を消すと、ココロの声が聞こえてきた。 「ママ―、おなかすいたー」 『待っててね。今おやつ出すから』  私はココロの前にカップを置くと紅茶を注いだ。ココロは目をつぶって紅茶の香りを楽しんでいるみたい。 「ママ、もしかしてこれ…だーじりん?」 『正解!』  そう言って頭をなでると、ココロは照れくさそうに笑った。親バカかもしれないけど、ココロはとても賢い子だと思う。  この前スーパーで買ってきたビスケットを出すと、ココロは不満げに言った。 「ママー、おとといもこれだったよー」 『贅沢言わないの。ママが子供だった時なんて、おやつが出ないことの方が多かったのよ』 「ふーん、こんどおばーちゃんにきいてみよ」  やっぱり訂正。最近いろいろなことを覚えてきたせいか、とても生意気になってきた。  ココロと一緒におやつを食べていると、彼女の目が私に向いた。 「そういえば、はせがわくんのいえ…こんど、おとうとがうまれるんだって」
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