多分それゴブリン

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多分それゴブリン

何か食べられそうな植物はないかと、辺りを散策すること数日。 竹林を見つけたので、タケノコでもあるかと行ってみた。 結果、なんと、タケノコの方から矢立の方へと突撃をかましてくれるサプライズが発生。 ロケットのように、矢立へと飛んでくるタケノコ。 掘る手間が省けて、矢立はかなり喜んだ。 ついでに、その辺の竹を切って、竹やりを制作した。 食べられる植物は、かなりあることが数日の間で判明した。 基本的に、匂いをかいで、味を見て、実際に食べてみて問題がなければOKだ。 とは言っても、一応、近くで他の哺乳類が食べている形跡が残っているものを重点的に調べている。 最近、餓鬼のような小鬼のような猿を見つけたので、それにきのこなどを食べさせて毒がないかの反応を見たりしている。 大体キノコは一割くらいしか食べられないと判明した。 あと、草を引っこ抜いたら叫び声をあげる根っこがあった。 マンドラゴラっぽいが、矢立は、叫び声を聞いても死ななかったため、マンドラゴラではないと判断した。 蒸かして食べると、ヤーコンぽくて中々美味であった。 そういえば、この星の虫はみんな大きい。 この間も、蜘蛛が巣を張っていたが雷門位の大きさの巣だった。 縦糸はくっつかないというので、束ねてロープにして粘着質の横糸は、まんまゴキブリホイホイにした。 蜘蛛は殺さずにおいた。 また、巣を作ったら糸を取りに来ようと思う。 水汲みに川に行くと、ワニが寄ってくるので、かわいがるのが日課になっていた。 先日は、襲ってきたクマを矢立が殺し、内臓をワニにやった。 肉は、燻製にした。 クマを解体した際に、紫色の変な石が出てきたので、捨てたところワニが食べてしまった。 身体に異変を起こさなければいいが、と思っていたら、ワニが二足歩行し始めた。 口から異音を発している。 これを、矢立は言葉を話そうとしている兆候ではないかと考えた。 またあの紫の石を見つけたら、ワニに与えてみようと思う。 上流にあった死体は、次の日にはなくなっていた。 獣が食べたのか、流されてしまったのか。定かではない。 キノコの毒見に使った猿の集団が、自宅周辺のゴキブリホイホイに引っかかっていた。 復讐にでも来たのだろうか。 報酬代わりに、蜘蛛の巣にぶん投げてくっつけた。 蜘蛛もうれしそうにしていたので、矢立はとても満足した。 とりあえず、保存食もできて水場も確保できている。 今のところ気温も温暖である。
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