小学校、卒業の記憶及び、卒業後文集。

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 親のすねをかじり、大学まで卒業できました。大学での成績は下位でした。  卒業したら、生活するには、どこかで働く必要があったので、自分でこなせそうな募集をしている、会社を数十社以上受けました。  当時は就職難でした。某企業が内定をくれました。本音はもっと大きな会社に入社希望でしたが、御社第一志望と言い切りました。  結局、その会社でしか内定がもらえませんでした。  新入社員は全員、営業部門を経験します。営業車の運転も下手。営業の成績も悪い。だけどクビにはなりませんでした。素直な人柄と上司も先輩も認めてくれていました。  いつも、仕事では、先輩に助けてもらってばかりでした。  営業で散々だったのですが、経理課に回されました。使い込みをしない、信用を勝ち取ったのです。  その後は、経理課から転勤はありませんでした。行政機関に提出する書類も書くので、硬い文章になります。  経理課の上司が税理士試験に合格して、会社を円満退職しました。僕は運良く、経理部長に昇進しました。  クラス委員の村田さんは、結婚して名字が変わって、本田さんになり、地元で法律事務所を開業しました。  ある年から、同窓会の案内はがき来るようになりました。世話役が、本田(旧姓・村田)と、書いてありました。  村田さんが結婚したんだ、と分かった瞬間でした。  最初は、ただ、法律事務所の宣伝目的だろうか、疑いました。返信先が法律事務所だったからです。後で自宅兼事務所と知りました。  僕が四十代の頃ですが、風の噂では、ひなこ先生も、たつろう先生も、校長先生か、教頭先生をしていると聞きました。 ***  素直に書いた。仮に思ったとしても、口にしては、ならないことまで、書いてしまった。童心に戻り過ぎな気もする。  どうせ、先生が読むだけだ。気にしないでおこう。  同窓会の夜は、冬の足音がする秋の終わりだ。同級生に農家の方も多く、農繁期はさけたのだ。
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