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ハイビスカス
空港のゲートを抜けた時
抜けるような青い空の下
ハイビスカスの花たちが南の風に揺れながら
僕たちを迎えてくれた
ずっと曇り空だった、妻と娘と僕
わあ綺麗
娘がジャンプして喜ぶ
への字だった僕たちの心は
まぶしい光の束と咲き誇る赤い花に洗われた
同じところをくるくる回っていたような日々
しあわせなんていつのまにかどこかに置いてしまっていた
別にハイビスカスの花を見たからじゃなくて
綺麗なものを素直に綺麗と感じられる娘の笑顔
愛おしくて、愛おしい
久し振りに妻も微笑んでいる
よく分からないけれど難しいものほど案外単純なのかもしれない
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