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目を開かないで
昔、こんな作品も書いていました。今の作風とはちょと違いますが…。
「目を開かないで」
深くて深い海の底
音もなく
光もなく
動くものもない
冷たい水の温度さえ
今はもう分からない
静かで静かな世界に
ただ一人
息をすることもなく
目を閉じる
光るくらげがやってきた
尾の長い魚がそばを廻る
いつのまにか
海の底は光に照らされて
ゆるやかに踊りはじめる
そのまま目を開かないで
そう、目を閉じたままで
見えるものが
ここにあるから
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