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悲しいほど青い空
かなり前に書いた作品です、
この頃は、いわゆる現代詩っぽいのを書きたいと思っていました。
でも、最近は平易なコトバの方が好きになっています。
遍歴という事でご紹介します。
「悲しいほど青い空」
濁った沼に体が落ちる
蝉の抜け殻そばにある
穴のあいた枯葉に青い蝶
腐った水を薄めたい
撫子踏んで鈴虫の声
緑の草原は寂しいばかり
澄んだ水はどこですか
あそこの泉はすぐそこだ
張り詰めたピアノの弦が切れる
やごが息して
泥水足にからみつく
手をついて、はいつくばって
少し前に、体を伸ばす
伸びろ、伸びろあそこまで
地面から見上げる空は
悲しいほど青い空
伸びろ、届けあそこまで
もういいか
もういいや
疲れてしまった
蝉のようになって
土の中で眠ろうか
どうろうどうろう
やがて僕は土になる
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