ビリフレ……フラれ女に愛の手を

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ビリフレ……フラれ女に愛の手を

10月末納期の案件が15件あり、全て終わらせて、納品したとほっとしていたら、流れ弾で追加で7件も引き受ける事になり、この1ヶ月間は怒涛過ぎる日々を送っていた。 中小IT企業のエンジニアは社畜のように働いてる。 法で定められている残業規制なんてあっても無いようなもの。 始発出勤からの終電退社。 眠い目こすってロボットみたいに、ひたすらパソコンにデータをカチャカチャ打ち込み、食事をとる時間もままならず、栄養ドリンクと栄養補助食品で終わらせた。 だから、デートなんてする暇もなく、LINEを開く時間も無く、せっかくできた彼氏を1ヶ月間放置してしまった。 「仕事人間の君とは付き合えない。別れてくれ」 同じ会社の3歳年上の営業部ホープ、永岡拓海(ながおかたくみ)主任と付き合っていたわたし。 「わたしの仕事、分かってくれてると思ってた」 同じ会社で永岡主任がとってきた物件もこなしていたから、多忙期で仕事に追われてる事を理解してくれてると思ってた。 「一花、俺と会う時間が作れないどころか、LINEも既録がつかないぐらい仕事が忙しい癖に、同じ課にいるあいつとは夕飯食べに行ったりしてるんだろ?」 あいつとはわたしの同期で、永岡主任がなぜか敵視している仕事もできて顔もイケメンすぎるぐらいイケメンな男。 「同じチームで同期だから、仕事上がりにご飯を食べに行くぐらい普通でしょ!!」 「普通じゃない!!男と2人で食事に行くなんて、とにかく、別れよう。じゃっ」 そういうと永岡主任は、オフィスビルの近くにあるカフェから出て行った。 付き合い始めて1ヶ月半。 2人きりで会ったのは、今日合わせて5回。 食事や映画を観に行くぐらいの付き合いだった。 永岡主任から何度もアプローチされて、折れる形で付き合い始めた。 なのに、わたしはフラれてしまった。
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