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客がいなくなった式場で、両親が並んでぼんやりしていた。
隣に腰かけてみる。やはり反応はない。
「本当に、いなくなったんだな。」
親父はそう言った。
お袋はただ頷いただけだった。
「昔のあいつは、泣き虫だったな。走って転んでは泣いていた。本当によく泣いていた。」
お袋は、やはり頷くだけだった。
「それがいつの間にか泣かなくったと思ったら…。」
死んでしまった。
その事をはっきり認識した瞬間だった。
それに気付いた時涙が出てきた。
涙が溢れて止まらない。親に本当に申し訳ない事をしてしまった。
やはり俺はいつまでたっても泣き虫だ。
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