孤独

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その二人から目が離せずにいる。二人はこちらに歩いてくる。ベンチに座るのか? ついに俺の目の前にその二人が来た。間近で見てもすごいセンスだ。 下からじっくりと見ていく。白の革靴、白のスラックス、白の背広、白いシャツ、そして、そんな中にある違和感と言っても過言ではないほど黒いネクタイ 。 どうせ向こうからは見えないんだから、どんな面してるのかじっくり観察してみるか。 そう思い顔を見た瞬間、目があったような気がした。 「座ろうか。」とオッサンが女に声をかける。 座るならば退かなければ。そう思い、立ち上がる。そして腰かけたオッサンに向かって。 良いセンスだ。と言ってみた。 「ありがとう。」とオッサンは言った。 誰にも聞こえないはずの俺の言葉に返事をした。こいつ何者だ?
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