孤独

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「さっきも言った通り、私たちは君らの言葉で言う『あの世』からやって来た。」 少なくとも奇抜な制服の自慢話じゃないようだ。 「あなたは自分が成仏出来ないことに疑問を感じましたね?」 間違いない。 「その疑問に答えるべく、あなたの所へ来たんです。」 俺の疑問に答えがあるらしい。心のつっかえが取れかけてるのを感じる。 マジか! 「マジです。」 感動的だ。二度と会話なんて出来ないと思っていたのに会話ができる。さらに俺の疑問に答えをくれるなんて。 あんたらは天使か? 「そう言ってもいい。『あの世』の使いの者だからな。」 え?マジで? 「マジです。」 ……………。言葉を失ってしまった。これが天使なのか?随分イメージと違うじゃないか。 「天使ってのは羽がついてるんじゃないのか?」 「それはだな…」 「時間が無いので本題に入りましょう。」 女が言葉を遮ってしまった。 「今、あなた達の言葉で言う『あの世』は定員オーバーの状態にあります。」 あの世に定員数があるのか。さっきから驚きっぱなしだ。 「初耳だな。」 「皆さんそう言われます。」 何で定員オーバーなんて起きるんだ? 「現世に生きている魂の数は決まっている。それと転生が関係している。」
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