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「それともう一つ。生きている人間とも会話などはできますね。」
「生きている人間?無理じゃないのか?
俺が霊になってから俺の言葉はどころか、存在すら確認してもらえないんだぞ。それをどうやって?」
今まで全くだめだったんだぞ?なんでそれを今さら?
「霊感のある人間を探すんです。」
「霊感?それは、霊が見えたり声が聞こえたりするあれか?」
「そうです。ある程度霊感の強い方でないと駄目ですが、あなたの声が聞こえる人となら話しもできるはずですよ。」
同じ霊か霊感のある奴を見つける、か。対象が2種類とおもうと気持ちが楽になった。
いざ探す時になったら、その辺の人間に話しかければいいんだしな。多少アホっぽいけど。
「そろそろ、失礼させて頂きますね。」冥も帰ると言ってきた。正直一人になるのは嫌だけど、彼女も彼女なりに忙しいのだろう。
「どこに帰るのか知らないけど、気をつけて帰りなよ。」
俺がこう言うと、冥は少しだけ笑って、
「死んだ人にそんなこと言われるのは初めてです。」
と言い、加えて礼も言ってきた。
「ありがとうございます。あなたのお友達探しがうまくいきますように。」
そう言うと冥は、やはり歩いて帰って行った。
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