三種目 ななつぼし

1/1

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ

三種目 ななつぼし

「はぁお腹すいた~」 優美は、そう言いながら「ビックフォレスト」へやって来ました。 今日もおばさんは、笑顔で迎えてくれました。 「こんばんは。」 「いらっしゃい。今日のお米は、「ななつぼし」ですよ。」 注文をして、料理を待っているとお店のテレビからニュースが流れました。 「今日は、北の空に「北斗七星」を見てみてはどうでしょうか。」 「北斗七星かぁ」 「おまたせ。北斗七星は、一番明るい星が北極星なのよ。知っている?」 「知らなかったです。」おばさんは、料理を運びながら優美にそう 話しかけました。。 ななつぼしを食べていると、あの少年がやって来ました。 「また会えたね。」少年は、優美にそう話しかけました。 「僕は佑翔(ゆうと)。よろしくね。」 「私は、優美。」 「ここ、いい?」 「うん。」 優美の席の向かいへ佑翔は座りました。 優美が座っていたのは、窓際の席でした。 窓から空を見上げると、もう少しで満月になる月と光輝く星が見えました。 「見に行く?北斗七星。」佑翔が優美を誘いました。 「えっ?」 突然の誘いに戸惑う優美でしたが、おばさんの後押しもあり、 佑翔と北斗七星を見るために外に出ました。 外に出た二人は、空を見上げました。 「ほら。あそこ。」佑翔が指さした方向には、輝く北斗七星がありました。 「ななつぼしは、北斗七星をイメージされてつくられたお米なんだよ。 美味しいだけではなく、粘りや甘みのバランスが抜群で、 冷めても美味しいんだ。あ、またついお米のことを語っちゃった。」 佑翔は、照れながら言いました。 「いいのよ。お米のこと、私もっと知りたいし。 話してくれて、嬉しいわ。」 そんな二人を微笑みながら、見守っていたのはお店の老夫婦でした。 次回 青天の霹靂(へきれき)
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加