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三種目 ななつぼし
「はぁお腹すいた~」
優美は、そう言いながら「ビックフォレスト」へやって来ました。
今日もおばさんは、笑顔で迎えてくれました。
「こんばんは。」
「いらっしゃい。今日のお米は、「ななつぼし」ですよ。」
注文をして、料理を待っているとお店のテレビからニュースが流れました。
「今日は、北の空に「北斗七星」を見てみてはどうでしょうか。」
「北斗七星かぁ」
「おまたせ。北斗七星は、一番明るい星が北極星なのよ。知っている?」
「知らなかったです。」おばさんは、料理を運びながら優美にそう
話しかけました。。
ななつぼしを食べていると、あの少年がやって来ました。
「また会えたね。」少年は、優美にそう話しかけました。
「僕は佑翔。よろしくね。」
「私は、優美。」
「ここ、いい?」
「うん。」 優美の席の向かいへ佑翔は座りました。
優美が座っていたのは、窓際の席でした。
窓から空を見上げると、もう少しで満月になる月と光輝く星が見えました。
「見に行く?北斗七星。」佑翔が優美を誘いました。
「えっ?」 突然の誘いに戸惑う優美でしたが、おばさんの後押しもあり、
佑翔と北斗七星を見るために外に出ました。
外に出た二人は、空を見上げました。
「ほら。あそこ。」佑翔が指さした方向には、輝く北斗七星がありました。
「ななつぼしは、北斗七星をイメージされてつくられたお米なんだよ。
美味しいだけではなく、粘りや甘みのバランスが抜群で、
冷めても美味しいんだ。あ、またついお米のことを語っちゃった。」
佑翔は、照れながら言いました。
「いいのよ。お米のこと、私もっと知りたいし。
話してくれて、嬉しいわ。」
そんな二人を微笑みながら、見守っていたのはお店の老夫婦でした。
次回 青天の霹靂
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