言い訳

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言い訳

この声がいつか届けられたらいいな そんな事を考えながら今日も歌ってる 通り抜けていく風があまりにも冷たくて やめてしまいたくなることもあるけれど 幸せですかと遠くに投げかけた言葉は 妙に空々しくてまるで他人事でしかない 形がなさ過ぎてふわつき過ぎて弱々しい 情けなくて見えないふりをしたくもなる 口から出ていく音達はまるで機械音で 思わず笑いが込み上げてきてしまうんだ 鳴り響く街の喧騒が妙に羨ましく感じて 着飾った全てのものが見苦しく思えた 涙が全てを洗い流してくれることはない 僅かな痛みがいつまでも残ることが多い 無かったことになど出来はしないのだと 分かっていたことだからあと少し歌おう 乗り越えられぬ壁があまりにも多くて 避けてしまって別の道ばかりを選んで 楽なはずなのにやっぱり苦しくて怖くて 何してんだろうなって青空を憎んでた 瞬く星のひとつひとつがとても羨ましい 輝く月の美しさがどうしても妬ましい あんな風にって思ってしまって辛くて また届かない歌を独り歌ってしまうんだ 涙が全てを洗い流してくれることはない 僅かな痛みが今日ずっと隅で疼いてる 明日には全てが変わっていてくれるはず 根拠も何もない出処不明の誤報が流れる 泣き腫らして声を嗄らしてそれでもまだ 何ひとつ変わらないことにまた嘆いてる 何も無かったんだ変わらないって何度も 繰り返したら消えてくれる気がしてる こんなに辛いのに苦しいのに悲しいのに それでもここで歌ってるのはどうしてか 分かってるんだ知ってはいるんだ簡単だ 言い訳を並べ立てながらも生きたいんだ 明日を生きたいんだ
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