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残光
歩き慣れてないハイヒール
少しだけ背伸びをしてる
あなたにちょっとだけでも
近づこうとしてる私
大人ぶって始めた煙草
少しだけ背伸びをしてる
あなたをちょっとだけでも
知ろうとしてる私
白い煙が真ん中で漂って
私はあなたに届かない
ずっとそばにいたかった
無理しても変わっても
白い煙が消してった
過去の奴も未来の奴も
そっと灰とともに
歩き慣れてる帰り道
排水溝に足を取られる
折れてしまったハイヒール
月明かりに照らされる
窓際に集まった煙
ここから逃げようとしてる
逃がさないようにしたけれど
もう逃げてしまった
白い煙はあなたに移って
私はここに残ったまま
ずっとそばにいられなかった
無理していた変わろうとしてた
白い煙で偽っていた
過去の奴も未来の奴も
灰は流れていった
あなたは偽らなかったの?
無理してなかったの?
何か変わったの?どうなの?
全て本物ならもういらない
ずっとそばにいたかった
笑わないでよ手を振らないでよ
ずっとそばにいたかった
優しくしないでよ冷たくしてよ
白い煙も残さず灰も残さず
なのにどうして香りを残すの?
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