閑話 01

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閑話 01

こんにちは。 50スターありがとうございます。 ここで余談を挟もうかどうか悩んだんですが、50スターの記念に書き残させて頂きました。 実は、前ページは下書き保存したものを完成させたものになるんですが、下書き保存していた場所が二つあったようで。 既に完成させたものがあったんですが、それを忘れて新たに完成させたものを転載したのが前のページのものでした。 なので、後半部分が2パターンあるわけです。 最初に書いたパターンもなかなか良かった(自画自賛すみません)ので、以下に記載させて頂きます。 全く別パターンになりますが、これからのストーリーには支障がありませんので読み比べてみて頂ければと思います。 それでは、どうぞ。 混乱する等の理由で読みたくない方は、申し訳ありませんが読み飛ばしくださいませ。 夏目とろ * * * * * * *  例えばその相手が一般生徒だった場合は相手が危険に晒されて、役員だと歓迎されるってことか。ってことは……、 「恋をするなら役員としろってことか?」  そう考えて違和感を感じた。いや、まだ恋をしたことがない俺が言うことじゃないかも知れないけど、恋って相手を選んで出来るものなんだろうか。俺が考えていることを分かっているのかいないのか、大塚はにやにやと愉快そうに笑いながら俺のことをただ見ている。  俺の身近にいる一般生徒と言えばクラスメートの槙村か後輩の岡崎君ぐらいだけど、二人は恋愛対象とは考えられないから除外ってことになる。他に仲のいい生徒と言えば風紀の橘と御子柴のふたりだけど、風紀委員の幹部は生徒会役員とそう変わらない位置付けにいるような。 「まあ、無理に恋をしようとしなくてもいいんじゃないの」  俺が考え込んでいたからか、不意に大塚はそんなことを言い出した。驚いて大塚を見れば、さっきと同じ含み笑いをしながら、やはり愉快そうに俺のことを見ていた。 「恋ってさ。するもんじゃなくて落ちるもんだって言うじゃん?」  変身前の俺の風貌によく似た大塚はそう言って、照れ臭そうに『そう言う俺もまだなんだけどな』と付け足した。なんと言うかそれが大塚に似合わなくて、ぽかんと大塚のことを見てしまう。 「腐男子としてはどっちも美味しいからね」  照れ隠しなのかどうか、そう言って大塚は居住まいを正した。眼鏡の支柱を指先で押し上げて眼鏡の位置を直すと、さっきまでの親衛隊長の顔に戻る。 「恋、かあ……」  やっぱまだピンとは来ないけと、俺は流れに任せることにした。大塚が言うように恋はするもんじゃなくて落ちるもんなんだとしたら、いつか、俺は恋に落ちる時が来るんだろうか。 「役員、か」  今度はそう考えてみて、慌てて首を横に振る。 「ん? どうかされました?」 「あ、や。別に。つか、それやめろ」  一番にあいつのことが頭に浮かんだ。いや、待ておかしいだろ。あいつらと和解してまだそれほど経ってないし、あいつのこともまだ何も知らない。 「役員と、だったら歓迎されるんだよな」 「まあ、そう言うことですね。私も役員の方とくっつかれた方が飯旨(めしうま)ですが」  ああ、くそっ。大塚のやつ、またさっきのにやけ顔に戻ってるし。なんか、よく分からないけど顔が熱い。もう恋に落ちてるとは思わないけど、もしかして近いうちにそうなることになるんだろうか。  そんな呑気なことを思っている暇なんかないってことを思い知らされることになるのだった。
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