第一章

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大して酔うこともできないアルコールを飲み自分自身を誤魔化して、無理やりに眠る日々が続いたある日の開院時── 「今日から新しく入ることになった、永瀬 智花さんです」 と、新人の紹介を受けた。 こないだ受付を辞めた彼女の埋め合わせかと視線を向けると、ふいと目が逸らされた。 見つめた目を逸らされたようなことはかつて一度もなく、僅かな動揺が走る。 女性などは見つめれば誰もが恥じらうようにも感じていたのを、不審感を顕わにされたことにどこか納得のいかないような思いが俄かに湧き上がった……。
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