第二章

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淡々と時間が過ぎて、沈黙に耐えられなくなった彼女が、 「……私に、こだわる必要なんて、もうないですよね…」  そう切り出した。  間をあけて、「……ないでしょうね…」 と、返した。  「……先生には、思うようになる人なんて、いくらでもいるはずだから……私でなくたって……」  否定のしようもなく、「ええ…」と、頷いて、  「……あなたみたいに、私の言うことを聞かない女性は、他に誰もいませんでしたね…」  言って、ひと息を置いて、  「……だからもう、あなただけにこだわることも、ないのかもしれませんね……」  関係を終わらせる言葉を吐いた──。 ……もう終わらせてしまいたかった。かつて感じたこともない焦燥感のようなこの気持ちが何であるのかもわからず、 こうして彼女との関わりを続けていったとしても、答えなどには依然辿り着けることはない様な気がして、 見切りをつけなければならないようにも思えた……。
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