桜の娘

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 胡散臭い祈祷師の守護星など何の効果も無い。 事態はどんどん悪い方へと坂道を転がるように転がって行く。目を塞ぎ、耳を塞ぎ、自身の咎にただ怯え、震えていた。その内に、飢饉、疫病が押し寄せ、多くの領民の屍が積まれていく。  そんな最中も姉は領民らの為に奔走し、食料を確保し、土嚢を積ませた。 必死なその姿に益々自己嫌悪を募らせ、何度も吐いた。 「何とっ!?」 憤慨する家令らの声が回廊にまで届いた。 「小野嫡子を人身御供へせよなどと、誠に祈祷師は告げたのですか?」 「領民らに詰め寄られ、苦肉の策として言葉にしたそうな……」 余りの話に呆然となった。 『気づけば贄とされる』その言葉通りに事が運んでいくことに、ぞっとする。 そして身勝手なまでに、悔いるよりも呪ったのだ。 「助けて……」 誰よりも、姉の背に手を伸ばしているのは自分だと涙が伝った。
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