終章 緑成す秋

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「そう言えば、銀男さんも村の合同葬儀に出たんですよね? 葬儀は一体何処が…… まさか天狗神社が……」 「いや、正式な神道式で執り行われたよ。宮司さんも、警視庁経由で別の神社から派遣させてもらった」 「そうですか」 「天狗神社なら今は誰もいないよ。天狗攫いの実態がバレた以上は袋叩きに遭うだろうし、そっと姿を消したよ」 「……」 「宮司一族たる他の場所の天狗神社の子らも取り調べを行ってるけど、知らぬ存ぜぬだ。ここの天狗攫いに協力した村人と一緒ですっとぼけてるんだろうけどね」 「あの…… ステラさんは」 「しょうせい屋も潰れたよ。夜逃げ同然に消えていたそうだ。当然、天狗…… カニス・アイテールも消息不明だ」 「この世から消息不明になって欲しいぐらいですよ」 「……そうだね」 銀男の背広の内ポケットには一枚の封筒が入っていた。今回発見された白骨遺体のDNAの鑑定結果である。今回のDNA鑑定は銀男の大学病院が主導して行った為に特別に鑑定結果を入手したのである。
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