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君はたぶん驚いているのかもしれない。
目の前いっぱいの光に、目が痛くて開けられないのだろう。
生まれて初めてのまぶしさだ。そりゃ泣くさ。
これからは、どんな残酷も、どんな悲哀も、どんな苦痛も、どんな不条理も理不尽も、君を歓迎するだろう。そして屈するだろう。立ち上がれなくもなるだろう。
だけど、どうかこの瞬間だけは覚えておいてほしい。
初めまして。おめでとう。
世界は、それでも君を歓迎する。
ここからこぼれ落ちぬように抱きしめる人たちがいる。
たった一度だけの幸福なのかもしれない。
温かさもいずれは憎しみに変わる日があるだろう。
でも、愛された時も確かにあったのだ。
誰もが、世界中が、君が目を開けられないほどのまぶしさで愛した。
さあ、目を力強く開いて欲しい。そして、綺麗な瞳で見つめてくれ。
何もかもが君を拒まない。
どこへ行こうとも君の自由さ。
独り立ちもすぐだろう。
その小さな手には、無限大の未来を掴む力がある。
大丈夫さ。
強くなれるよ。
一緒に、強くなっていこう。
君となら、この世界に生まれてよかったと、思える。
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