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いよいよ本日は新入生歓迎会当日。
の朝6時の生徒会室。
「皆今日の日の為に良く頑張ってくれた。特に御坂、立案、企画、会計、ほぼの業務を担ってもらって悪かった。」
会長は僕に真剣な眼差しを向けて深々と頭を下げる。
この会長が半ば俺様で強引にことを進めても何だか許してしまうのは、下の人にもしっかりと配慮をしてくれて出来たことは褒め、あと一歩なら手を貸しアドバイスして、ダメな時はしっかりと叱咤してくれるからなんだろうな。
上に立つ人間がって感じがして本当に尊敬する。
「いえ、そんな...皆さんがフォローして下さったおかげで今日を迎えられたので…僕だけじゃきっと志半ばで倒れてました」
「でも、御坂くんは本当に良くやってくれましたよ。生徒会は絶対参加で僕がこれからペンキに塗れることを除けば、ね?」
八城先輩からは暗黒微笑(笑)を向けられつつお礼を言われる。
凄い、笑ってるのに顔に影が差しててこわーい。
「まぁでも気を抜くのは新歓が成功した後だ。そして今ここでひとつ設営が始まる前にお前らに言っておく」
会長はビシッと指差してちょっとムカつくドヤ顔で僕達へ向けて言い放つ。
「この企画に新ルールを追加させてもらった。それは」
『生徒会役員は全ての紙風船を失うとペナルティーとして、新歓後の打ち上げで女装してもらう』
「はっ!?」
「聞いてないんだけどー」
「……いや」
劣と八城先輩は黙ってしまった。
「いやなぁ、風紀委員長ととある教師がそれじゃないと許可しないとか抜かすから。まぁ紙風船割られなきゃ良いだけだろ」
「いやいや簡単に言いますね!僕みたいな運動音痴はどうするんですか!」
「可愛い顔してんだから女装したらいいだろ」
そういう問題じゃねー!
心が叫びたがってるんだ。じゃなくて!
嘘だろ……そんなルールあり...?
いやまぁここ王道学園だし、女に飢えてる男子校だし有り得るのかな...
「ま、そういう事だから各自頑張れよ」
「アイテテテ、腹痛が...」
「仮病は問答無用でペナルティーだ」
「……はぁい」
そして何やかんやで設営が始まる。
体育館全面に特性の真っ白な防水シートを敷き詰め、壁も真っ白なキャンバスで埋めてゆく。
発泡スチロールで作った壁や障害物で勾配を付けたり自陣を作ったり……
「…けほっ、すごいなぁ、本当にスプラトゥーンだ」
どんどんと出来上がってゆく体育館をゆっくり見渡して、感動する。
自分の起こした平面図がこうして立体になり形になってゆく。
何かを成し遂げるって、凄いな。
「まだ終わってないか、頑張らなきゃなぁ」
1人強く拳を握りしめて体育館を後にした。
「これより、新入生歓迎会を開始します。生徒会長様より一言お願いします。」
「おはよう、今日は待ちに待った新入生歓迎会だ。みな羽目を外しすぎないように。あと事前に説明のあったルールと1部変更がある。俺ら生徒会役員は全ての紙風船を失うとペナルティーが発生する。ま、ペナルティーの内容は後でのお楽しみだな。以上、楽しめよ」
会長がスっと高台から降りるといままでシンとしていた体育館が拍手と黄色い声で埋め尽くされる。
調教が行き届いてるなぁ。
「ではルールの説明を今回の企画者である御坂様、お願いします」
「げほっ、ぇー…失礼しました。
おはようございます。ルールは各学年4クラスを4色の組に分けて戦います。
出場選手は各学年5人ずつで計15人。ペンキの補充係が3人。トーナメント戦となっており、1位のチームは打ち上げで優遇されるので是非頑張ってください。
チーム分けはご存知の通り
赤 1-S 2-C 3-B
青 1-A 2-B 3-C
黄 1-B 2-S 3-A
緑 1-C 2-A 3-S
となってます。
選手の体に付いている紙風船を全て割るか、制限時間までに残っていた選手の紙風船の数+ペンキの色の割合が多いチームが勝利になります。げほっ
以上です。分からない点があれば随時実行委員僕に質問して頂ければお答えします。けほ」
軽く一礼して高台から降りる。
会長ほどでは無いが拍手も聞こえる。
と言うかなんだろう、肺がヒューヒュー言ってる気がする。
沢山喋ったからだろうか。
「ではこれより第1戦をはじめます。赤チームと青チームは準備を始めてください」
休む間もなく僕も参戦しなくては。
挨拶の為に来ていたワイシャツを脱ぎながら自分のチームの場所を探す。
まぁ目印の犀を探してるだけだけど。
観覧席に向かう生徒の並に逆らいながら歩いていると、とつぜん腕を引かれて壁側へ連れて行かれる。
「ぅ、わ、ゎっ、?ぅ、宇白先輩、こんな所で何して」
「なにしてんのはそっちでしょ。こんな人混みで脱がないの、お腹見えてたよ」
僕の腹チラ、へそチラに需要はあるのか...?
「と言うかペナルティーだっけ、ふふ、俺が風船割りに行くから、それまで死なないでね?女装、楽しみにしてるから」
「えっ!?いや、無理ですすぐ死にます…て言うかペナルティーの内容何で知ってるんですか!?」
「これでも元生徒会だからね、ツテ?」
まぁいいや、また後でね
なんて言いながらヒラヒラ手を振り、人混みへ消えていく宇白先輩。
宇白先輩は緑チームだから戦うとしたら2戦目。
決勝戦か最下位を決める戦いのどちらかだ。
でも僕はきっとみんなの足を引っ張って初戦で負け、宇白先輩と戦うことは無いんだろうなぁ。
そんなことを考えながら自陣の待機場所へ向かうと、出場する犀と草薙くんから遅いと怒られてしまった。
いよいよはじまる、僕の闘いが...。
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