第1章 思ったようにいかない。それが人生という名のクソゲー

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一蹴すると、少女は無表情のまま手に力を込める。 痛くはないが、どうやら怒ってるらしい。終始、無表情なのでわかりづらいが。 「……なにをしているのですか?」 とーーそこで別の声が挟まれる。 宗太が顔を向けると、そこにはジト目でこちらを見る一千夏の姿があった。どうやら騒ぎを聞きつけて、こちらにやってきたらしい。 「お嬢様。いえ、この方が話があるとおっしゃったので」 「話?」 一千夏はさらに距離をつめると、宗太の顔を間近で凝視した。 そして、思い出したように。 「あなたは同じクラスの。えーっと……」 「北島だよ。北島宗太」 「そう、北島さん。あれ、どうして名前覚えてないんだろ……一応、声かけてきた人の名前は全員覚えたはずなのに……」 「それは俺が声かけたメンバーに入ってないからだろうな」 たしかに、声をかけてないのは事実だ。 だが、宗太が言おうと思ってたのはそういった事ではなく。 「鳳さんだっけ。昨日、ゲームショップの前で会ったの覚えてない?」 「ゲームショップ……」 人差し指をアゴに当てて、目をつむる。 一千夏の記憶の箱が次から次へと開いていく。やがて。 「……あっ!? もしかしてあの時の!?」 「ようやく思い出したか」 「赤い帽子をかぶって変なキノコ取ってた男子!」 「それはただのマ〇オだ」
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