第1章 思ったようにいかない。それが人生という名のクソゲー

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再びはじまる距離感の近い会話。だが、これではもはやコントだ。 「……まぁ、大体の事情は分かったよ。鳳さんは普通になりたいから、あんな口調をしてたんだな」 「そうだ。ふっふっふ、ちゃんとした平民を表現できていたであろう?」 「いや、平民っていうかエセお嬢様みたいだったけど」 「エセ!? ただのお嬢様ではなくてエセなのか!?」 衝撃を受けたとばかりに、一千夏は一歩後ずさる。 「まぁ、エセかどうかはともかく、お嬢様の一世一代のデビューは、ものの見事に失敗したということですね。残念です」 「なんか全く残念そうではないが!? くそっ、どうしてこんな事に……」 その時、宗太の中にある感情が芽生えた。 危機感。これはもしかして、あまり関わっちゃいけないタイプのやつなんじゃなかろうか。 最初にゲームショップで会った時の衝撃。あれは間違いなく、人生で初めて経験する感情だった。 でも、それは考えてるのとは少し違った。 あれは決して一目惚れなんかではなく、危機感から派生した、ただの警告だったのだと。 「あ、そうだ。あの時は無理だったので、この機会に尋ねておくか」 そう言うと、一千夏は凛とした表情を宗太に向ける。 「げーむというのは、昨日のあれ以外にもーー色々な種類があったりするのか?」 かと思えば子供のような純粋無垢な瞳で、いきなりそんな事を訊いてきた。 「ゲーム? お嬢様、ゲームとは一体どういう事ですか?」 「うむ。実は昨日、外を散歩してたら偶然、そういった店を見つけてな。気づいたら、店の前から離れられなくなっていた」 「習い事を途中でほっぽり出して、ですか?」 「……しまった!?」
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