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ここぞとばかりに主人を立てる、立派なメイドがそこにはいた。
「……話を戻していいか?」
「はい、構いません」
そして切り替えも早いメイドだった。
「まぁ、こい……蔡未の言う通り、これはギャルゲーとも呼ばれるジャンルだ。マニアックなところだと、恋愛シミュレーションとギャルゲーは違うって言うやつもいるが、とりあえずは同じと思ってもらって構わない」
「それで、そのギャルゲーを宗太さんは嗜んでおられると」
ズバリ答えを当てられてしまう。
最初から言うつもりだったので構わないのだが、なぜか微妙に納得がいかない。
「ギャルゲー……ギャルゲーか。でも、これもゲームには変わりないのだろう? なら全部同じではないのか?」
「その考えはステキだけどな。でもやっぱり、そういうわけにいかないのが世の常なんだ」
ゲームというのは、大まかに言ってしまえば娯楽だ。その中はさらに細かくジャンル分けされていて、ギャルゲーもそのうちの一つに過ぎない。
だというのに。ギャルゲーはゲームじゃない、そもそも絵がキライだと言い出す人もいるこの現状。
考えれば考えるほど、胸の奥がムカムカする。そう考える人もいる、と余裕を見せられればいいのだが、宗太はそこまで大人にはなりきれなかった。
「女子を攻略する、というのは同性からしてみれば違和感でしかありませんからね。そういったセクシャリティを持ってるなら話はまた別ですが」
「でも、かわいいは正義とも言うぞ?」
「そうですね。私もそういった感情なら、お嬢様相手に持ち合わせてますので」
「ふふっ。もー、照れるではないかー」
イチャイチャしはじめる二人を尻目に、宗太はさらに言葉を重ねる。
もう言ってしまったんだ。なら、この思いをもっと熱くぶつけてやればいい。それこそ、二度と関わりたくないと思ってしまうくらいに。
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