第1章 思ったようにいかない。それが人生という名のクソゲー

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「でも、俺がプレイするのってこういうジャンルだし……覚えるべき内容としては、明らかに不適格じゃないか?」 「しかし、ゲームという大本は変わりませんよね? だったら、それでいいんだと思います。そういう事にしておきましょう」 「ええ……」 論理も何もない。まさに力押し。 それで『オッケーわかった』なんて言う人間は、そもそも最初から考える事を放棄しているに違いない。 反論しようと、宗太は口を開きかけるが、 「のう、こっちのゲームはどんな内容なのだ? 表紙には小さい子がたくさん映ってるが?」 ギャルゲーのパッケージを手にする一千夏によって遮られる。 それ自体は妄想のような光景だったが、そこにあるのはきわめて普遍的なもの。 ゲームに対する純粋な興味。もしくは探求心。内容は別として、鳳一千夏という少女は間違いなく一歩を踏み出そうとしている。 宗太は悩みに悩みぬいた後、意を決した顔で。 「……くそっ、わかったよ。教えればいいんだろ教えればっ。ただし、言ったからにはマジでやるからな?」 「その言い方だと、なんだかイキりの入った若者みたいですね」 「決意して数秒後にやる気を削ぐ事言うな」 嘆息しつつ、頭の後ろをかく。 ーーかくして、この日から宗太の苦難の日々が始まったのだった。
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