第1章 思ったようにいかない。それが人生という名のクソゲー

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▽ 翌日。 教室に入った宗太を待ち受けていたのは、相変わらずの光景だった。 「鳳さんって、髪サラサラだよね。普段、どんな手入れしてるの?」 「特にはなにも。ただシャンプーする時は、髪が長いので少し時間をかけて洗ったりしてます」 「そうなんだ~。あ、ところで昨日のドラマ見た? 私、あれ超好きで、特に主演の俳優さんが~」 「ふふっ」 初日と同じで、一千夏の席の周りには人が集まっていた。 その中で一人、すごい勢いで話してくる女子がいて、一千夏はその対応に追われていた。 「……やっぱりすげー違和感」 「違和感ってなにがだ?」 いつもの陽気な声で、孝介が後ろに立っていた。 「よっ、おはよ。朝からなんか考え事か?」 「考え事っていうか……世界は時に残酷だなと思って。人間、誰しも表裏があるものなんだな」 「なんか変なものでも食ったか? お前らしくないぞ」 「俺はいつも大体こんな感じだよ」 そう、こんな感じ。 宗太はギャルゲーというジャンルを好んではいるが、それを現実に反映したりはしない。 ゲームはゲーム。現実は現実。プレイする側はあくまで人生をのぞかせてもらってるだけで、主人公自身ではない。 そう、自分自身では決してーー。 「はいみんなー、席について―」 チャイムの音とともに先生がやってきて、いつものHRがはじまる。 しかし、そう思われていた朝の時間は。 「えー、実はまたまたいきなりなんですが……今日、このクラスに転校生がやってきます」
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