第1章 思ったようにいかない。それが人生という名のクソゲー

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机の上に脱力する。 まさかの出来事に、頭がついていかない。蔡未が同じクラスに転校してきたから、というのも理由としてはある。 でもそれ以上に、宗太が気にしてならないもの。それは。 「他に理由でもあるのか?」 「……メイドはなぁ、そんな簡単にメイド服を脱いじゃいけないんだよ」 「えっ? どういう意味?」 宗太がそんな妙なポリシーに心を乱されまくっている一方で、蔡未の方は恒例の洗礼を受けていた。 「ねぇねぇ、南條さんはこっち戻ってくる前はどこ住んでたの?」 「もっと都会の方です。別に不便ではなかったのですが、やはり地元の空気が恋しいのもあって、こうして生まれ故郷に戻ることになりました」 「小さい頃にこっちいたなら、この高校にも顔見知りとかいるんじゃない?」 「小学校に上がる前なので私自身、記憶が曖昧でして。それに、もし仮にいたとしても、きっと相手もこちらの事を覚えてないでしょうから」 「その髪の色は? 地毛?」 「母がロシア人と日本人のハーフなので、その遺伝です。黒に染めてた時期もありますが、今は完全に地毛のままですね」 「てことは、南條さんクォーターなの? どおりですごいキレイだと思った~」 クラスメイト達による変わる変わるの質問。その一つ一つに対して、蔡未は丁寧に答えを返していた。 どこからどこまでが本当の事か気になったが、それを聞くのは放課後とかになりそうだ。 次に宗太は、一千夏の方に目を向ける。こっちはこっちで、今朝とは違う集団から質問攻めを食らっていた。
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