第1章 思ったようにいかない。それが人生という名のクソゲー

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「誰もいねぇ」 集合場所のはずなのに、そこには宗太以外誰もいなかった。 なんとなしにドアの方を見てみる。すると、すぐ横の壁がわずかに盛り上がってるのに気づいた。 色の違うその部分をめくると、出てきたのはセロテープで貼りつけられた鍵。どうやら、色のついた紙で鍵を隠してあったらしい。 「階段前……じゃなくて、やっぱり屋上って事か?」 手に入れた鍵でドアを開け、屋上に足を踏み入れる。 そこには案の定というか予想通りというか、一千夏と蔡未の姿があった。 「遅いぞ、なにをやっていたのだ?」 文句を垂れる一千夏は地面にシートを引いて、優雅にお昼を満喫していた。 真っ黒な重箱をつつくその姿は、まるでここが学校ということを忘れるくらい、とにかく違和感がすごい。 「宗太さんはお昼は持ってきてないのですか?」 「教室からまっすぐ来たからな……それにいつもは学食だし」 「なるほど、ではちょうどよかったですね」 蔡未は座った体勢のまま、巾着から取り出したお箸を宗太に手渡す。 「急に待ち合わせを決めたのはこっちなので、宗太さんもどうぞ遠慮なく。お口に合うかはわかりませんが」 「これ、お前が作ったのか?」 「はい、こう見えて家事は得意なので」 「こう見えてって……いや、今はメイド姿じゃなかったか」
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