第1章 思ったようにいかない。それが人生という名のクソゲー

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蔡未はそう言うと、制服の上着ポケットからスケジュール帳を取り出す。 「ゲームを教わる以上は、まとまった時間を取らなければなりません。最低30分、欲を言えば一時間以上はほしいところですが」 「うむ、それは難しいかもしれないな」 「どうしてだ?」 スケジュール帳をパラパラとめくり、蔡未はそのうちの1ページを宗太に見せつけた。 「これがなにかおわかりですか?」 「カレンダー……でも、ほとんどに/〈スラッシュ〉がついてるな。これってなんなんだ?」 「お嬢様の習い事の日です」 「そうか、習い事か……って、これほぼ全部じゃねーか! 普通にムリだろこれ!」 そういえば、習い事のピアノほっぽり出したと、昨日そう言ってたのを思い出す。 思ってる以上に、一千夏のスケジュールは庶民のそれとは違うのかもしれない。だとすれば、この話ははじまる前から、暗礁に乗り上げていたのではないだろうか。 「そうですね、普通は無理です。ーーですが、これをどうにかできる方法が一つだけ存在します」 「どうにかできる方法?」 次に蔡未が取り出したのは、四つ折りの紙。 徐々に開いていくと、やがてそれは重なった三枚の紙に変貌した。 「それは?」 「部活の申請書です」
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