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「前の部がひどく部屋を汚したようなので、その掃除をすると言ったら特別に貸してもらえました。しかし、部員が足りないのはどうしようもないので、ひとまず期間限定という形で」
「期間限定?」
「他の新しい部が発足するまでの間、です」
いくら手際が良くても、部員の数だけはどうにもできなかったようだ。
蔡未はすたすたと部屋の奥にいって、窓枠を指でなぞる。
真っ白になる指先。どうやら前の住人は、潔癖とは真逆のメンバーで構成されていたらしい。
「……とりあえず、掃除と軽い準備を終わらせましょう。私が掃除担当、お嬢様と宗太さんが準備担当という事で」
「うむ、了解した」
部屋に散らばる一千夏と蔡未。
宗太はその光景を眺めたまま、ただその場に立ち尽くすしかなかった。
「え、ちょっと待って。準備って、俺は具体的になにをすればいいんだ?」
「そんなの、活動の準備に決まってるではないか」
ーーそれから時間が経過して。
「うむ、中々よいではないか」
「……」
腕を組み、満足げな表情の一千夏。
その隣で、宗太は目の前の光景に度肝を抜かれていた。
「画面がでけぇ」
机の上に置かれていたのは、幅1mはあろうかという巨大なモニター……というかブラウン管だった。
「ゲームをやると目が悪くなるみたいだが、これだけ大きければその心配もないな」
「大きければいいってわけでもないんだが……しかもこれ、端子無いから変換しなきゃいけないし」
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