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さわやかな笑顔を向ける彼の名前は南孝介〈みなみこうすけ〉。
成績優秀、スポーツ万能。髪をワックスで立たせただけで道行く女性が皆振り返る、絵に描いたような好青年である。ちなみにサッカー部所属。
「そういえば、言ってる間にゴールデンウィークだな。宗太はなにか予定とかあんの?」
「家でゲーム」
「だと思った。お前、そういう時に遠出とかしないもんな」
「せっかくの大型連休にわざわざ外出するとか、俺には考えられん」
当然のように答える宗太に、孝介はまた太陽のような笑顔を向ける。
「でも、それがお前の個性だもんな。俺はキライじゃないよ」
「そいつはどうも」
こんな会話をしてると、仲良くなったきっかけをふと思い出す。
あれは中学一年の時。宗太がいつものように行きつけのゲームショップに向かうと、そこに孝介の姿があった。
見ている棚は、スポーツマンらしくスポーツゲーム……と思いきや違った。
孝介がいたのは、他と比べて少し異質さを放ってるコーナー。パッケージにはかわいらしい女の子が描かれていて、耐性のない人ならその場で回れ右してもおかしくない。
だが、慣れた様子でゲームを吟味する孝介を見て、宗太の中でとある確信がはじけた。
こいつは俺と同類だーーと。
「あ、そうだ。前に宗太に借りたやつ、昨日クリアしたぞ」
「マジか。どうだった?」
「……めちゃくちゃ良くて、終盤ずっと泣いてた」
「他には?」
「幼なじみヒロインがかわいい」
「友よ」
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