第1章 思ったようにいかない。それが人生という名のクソゲー

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クラスメイト達は、ぞろぞろと教室を出ていく。その中には孝介の姿も混ざっていたが、宗太は特に気にする素振りもなくそれを見送った。 スクールカースト上位の人間はこういう時、強制参加と相場が決まっている。 「ふぅ……」 クラスメイトが出ていくのを確認すると、一千夏は小さく息を吐き、帰り支度をはじめる。 このタイミングを逃すわけにはいかない。 宗太は内心、緊張しながら、一千夏の席に近づいていく気概を見せた。こうしてる間にも、時間はどんどん過ぎていくからだ。 そしてーー時計の長針が数回ほど大きく動き。 「……っ! あのさ、ちょっと話があるんだけど……!」 勢いよく席を立つ宗太。だが辺りを見回すと、すでに教室には誰もいなかった。 しばらくの間、その場にポツーンとたたずむ。 自らのヘタレ具合に辟易した。こういう時、ゲームの主人公ならどんな行動を取るだろう。 考える宗太だったが、そう思った時点ですでに答えは決まってるようなものだった。 「……追い、かける!」 カバンを肩にかけて、宗太は素早く教室を飛び出した。 校門までの道中、一千夏の姿はどこにもなかった。 もしかして、もう帰ってしまったのだろうか。教室でボーっとしてたのは数分くらいだったから、その可能性は十分ある。 (ここから道路に出るまで、道はこの坂しかない。そこまでに会えないと、また全部振り出しだ) そうして走り続けて、坂を下り終えた頃。10メートルくらい先で横断歩道の信号を待つ、一千夏の姿を見つけた。 「な、なぁ! 俺、君に話があってーー」
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