B級刑務所2

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先月、結婚式をした。結婚式と言ってもこんな時期なので二人だけで厳かに行った。 二人だけと言っても結婚式場の関係者だけはいたのだが 本当は友人や知人、親、親戚などを招待して、盛大に披露宴をしてやりたかったが仕方が無い、我慢するしかない。 仕事の方は順調で先日初仕事をした。自閉症の児童のしぐさがたまらなく可愛い 福祉関係の仕事が案外、私に向いているのではないだろうかと思った次第である 妻は元から福祉関係の仕事をしていたので資格を持っている。 将来の夢が変わってきた。 行動援護という資格を取得して妻と共に自閉症の方の役に立ちたいと考えている。 生活の方も今までのような淀んだ空気は存在しない。お日様が健やかに私を照らしてくれる。空気は澄みきって呼吸に幸せを感じる 妻が聖書の勉強をしているので、私も僭越ながら少しずつ聖書の勉強をしている。 こんな日が来るなんて思いもしなかった。毎日が楽しい、充実している。 時々刑務所にいる夢を見ることがある。現実に戻ってホッとする、夢で良かった。 しかし時折思うことがある、こんな私が幸せになってもいいのかと もう昔の私ではないのだと。これからはクリスチャンとして生きると決意した。 付き合う友人も随分、変わってきた。自然に悪い友達は淘汰されていった。 私が日々思ってきたことがある。男らしく生きたい。そんな男を探して極道の世界に足を踏み入れた。しかしそのような男は存在しなかった。 堅気の世界でもその部分は変わってない、こちらの世界でも男らしく生きている人間がいることも知った。また私がその手本となるように生きればよいのだと解釈した。 これからの私を見ていて欲しい。あとどれだけ生きれるかは分からないが男で生まれたからには男で死にたい。 自分に厳しく人に優しい、そんな人になりたい
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