B級刑務所2

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よく見てみると子猫だった 私に気づき逃げ出したのだ、しかし突然逃げるのをやめて私のことを見上げている 3秒くらい見つめあった 私はしゃがみこんで子猫の首の部分を掴んでひょいと持ち上げてみた 体はびしょ濡れで臭い子猫だった。目は片方が目ヤニで目がふさがっていた かなり臭うし、体はガリガリに痩せている、肋骨の形が外から見るだけでわかる 私はエプロンで子猫をやさしく包んだ 子猫もされるが儘におとなしく包まれた 今から考えると最後の力を振り絞って私から逃げたのだと思う 子猫を抱えたまま店に戻った、妻は 「どうしたのその子?」 と言って目を丸くしている、私は 「店の裏から連れてきた」 と言った 「今日はちょっと早いけど、お店もう閉めない?」 と話しかけた。閉店まで一時間くらいはあったが妻も同意した 早速、子猫を連れて帰ってきた 先ずは風呂だ、洗面器にお湯を入れて体を湯に漬ける やはり嫌がった、しかし一声も発しなかった 声を失っているのかと疑った。目の周りをきれいに掃除してやった。 何かの病気に罹っているのかもしれない。 先ずは動物病院に連れていきたいところだが盆休みだ ネットで調べて一番早くに診てくれる病院へ 16日が最短だ チュールをあげても食べない 子猫なのでミルクかなと思ってホームセンターへ ペット用の注射器と子猫用ミルクを購入、チュールも購入、 ゲージも購入、ペットシート等 何か体に入れてあげないと死ぬと思った 半ば無理矢理、口をあけさせて注射器でミルクを流し込む 嫌々だがかろうじて飲んでくれる 何とか命は繋げるぞと思った
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