B級刑務所2

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16日が来た、朝から病院の予約を取った 病院に着いた、先生は男の人だった 「えらい、痩せてますねえ」 「そうなんです、保護したんです」 「栄養剤の点滴とノミ、ダニの駆除の注射を打っときますね」 「はい、わかりました」 この時点ではこの猫をどうするのかはっきりとした方針は決まっていなかった。 点滴と注射、針を2本も刺されたのに鳴きもしない 先生が看護師さんに 「チュールちょっと持ってきてくれへん」 と言った。先生がお皿の上にチュールを絞り出すと鬼のように食べ始めた 私たちがチュールをあげたときには見向きもしなかったのに むさぼり食っているではないか、一体どういうことなのか 先生が与えたチュールはチキン味のもので私たちが与えたものはマグロ味だった。 生死の境にこの猫は味を優先させたのか、筋金入りだと感心した 私たちはとにかく恥ずかしかった 病院が終わって帰宅した。先生曰く 「オスの黒猫です、5日もしたら元気に走り回りますわ」 と言う、実際そうなった その前に子猫に名前を付けようということになった、私は 「お盆に拾ったので“ボン”」 でどうか?と訪ねたら妻もボンでいいよと言ってくれたので名前が決まった。
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