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退社した次の日、何も入っていない冷蔵庫を確認しコンセントを抜き、ブレイカーを落とし、何度もスケジュール表をチェックしながら、ポケットに入れた鍵を探した。
アパートを出るときに、玄関に置いてある母の写真に私は一言告げる。
「今から見つけに行ってくるね!」
晴れた空に私は手をかざしながら太陽を見つめる。
きっとどこかで見てくれている。 私は母が話してくれた真実をたしかめに、巣立っていく。
そう、この一歩が果てしない蜃気楼へとたどり着くための最初の一歩なのかもしれない。
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