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「まぁ、他にも理由が色々あるが、私に協力してくれるヤツはなかなかいなくてな」
やれやれと肩を竦める仕草に自業自得という言葉が頭に浮かぶ。事情は分かったが、俺には関係ないし、何よりこの力を怪異関係なんかに使いたくない。
「それにきみこの件を解決しないとまた引きずり込まれるぞ」
「は?なんで俺が・・・・・・」
「きみがあの娘の死の邪魔をしたからだ。悪霊というモノはねちっこい輩でな。獲物の邪魔をしたきみをどうにかして消そうとしてくるだろうな」
人に良心を見せたらいつもこんな感じだ。本当に俺は呪われている。
「それに私はきみに貸しがある。踏切事故から助けてやったお礼の代わりに今回の件を手伝ってくれ。そうすればチャラにしてやろう」
どうする?と『化物』はニヤニヤと俺を見下ろしてくる。
それを引き合いに出されたら断れないじゃないか。
「今回だけですよ」
渋い顔で頷く俺に『化物』はカラカラと笑う。
「まぁ、そこまで拘束する気は無いから安心したまえ。どうせ、あと二、三日もあれば解決する案件だからな」
『化物』はしれっと言うと俺の前を歩き出した。
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