星の砂の恋

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e5ca6165-be6a-4802-bb45-a8acbf8003c9 彼が去った背中をずっと見つめていた。 白いTシャツにジーンズといったラフな格好。 見た目ではサラリーマンには見えなかった。 彼の残像が瞼に残ったまま 悩んだ挙句(あげく)、アタシが買ったのは 三日月の形のピアス。296949e3-2972-45c8-b232-126be8ed594c どういうわけか昔から三日月が好きだった。 満月でもない、半月でもない 三日月が好きだった。 誰からも必要とされて来なかったアタシに お似合いだったから。 月で言えば私は満月なんかでは決してない。 半分さえ満たされない心。 満たされているのはせいぜい三日月程度。 それにこれからまだ満月になることもできる。それだけが唯一の望みだったはず。 彼の残像を抱えたまま その場で買ったピアスを付け その日は夕方まで天神でブラブラして お洒落なお店でパスタを食べて帰った。
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