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父親に捨てられたその半年後には
その借金を返すために
昼も夜も働き続け
心労と病、お金もなかった母親は
病院に行くこともなく
わたしが仕事から戻ると
冷たくなっていた。
身寄りが誰一人いなくなったわたしは
寒空の下に放り出された。
それからも男運がないのは変わらず
どん底の生活の中で
–––––羽のない『羽ばたけない』
夜の蝶として男に諂い
男達のお金を毟りとる生活の中で
いっそのこと死んで楽になることだけが
わたしの最後の望みだった日々。
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