遅くてごめん

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そうして、杏のいない日々を過ごすこと四日と半日。 俺は限界を迎えた。 「無理だ……」 ボソリと呟いた職場での一言。 隣の後輩が、訝しげに聞く。 「野間先輩? どうしたんですか?」 「東、この仕事、後半よろしく。俺は行く!」 この言葉を言いつつ俺は社内フォーマットで今日の午後の半休を申請。 課長は仕事が早いので直ぐに許可もおり、俺はそのまま昼になると会社を飛び出して、新幹線乗り場に行く前にスマホから直近で間に合う新幹線のチケットを取り、滑り込んできた新幹線に乗り込んだのだった。 そうしてたどり着いたのは地方のとある都市。 そこから更にバスで三十分。 ひたすらに向かった時にはすでに夕焼けの綺麗な時間。 新幹線に乗った時点で杏にはメッセージを送っていた。 情けなかろうが、なんだろうが、俺には無理だった。 「杏、会いに行く。会いたい」 まだ、既読は付かないけれど俺は杏に会えるとその気持ちだけで目的地へと向かう。
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