ファーストコンタクト

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『ビヨンド』は軌道ステーションのドッキングベイと思われる場所にランデブーし、その中に緩やかに進入した。 静止するとドッキングベイから固縛用の四本の腕が伸びて来て『ビヨンド』を固定する。 「ここには重力がある様だ。異星人は人工重力の技術も持っているのか・・」 僕が驚いていると、搭乗橋が『ビヨンド』に取り付けられた。 僕がコックピットから立ち上がり搭乗ドアの前へ移動すると、丁度、外部から搭乗ドアが開けられる所だった。 丸い搭乗ドアが内側に開くと、その外には四十代前後の男性の姿が見えた。 四十代? 男性? その異星人は完全に地球人と同じ容姿に見える。 「カケル・エンドウ。ようこそ『プロキシマb』へ」 何故、異星人は僕の名前を知っている? それにそれは完璧な英語だった。 「貴方を驚かせたいことがあるので少し眠って貰いますね」 その男性は右手に何かを握っていて僕の身体にそれを当てた。僕は一瞬にして意識を失った。
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