再開、そして星を見上げて

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再開、そして星を見上げて

「そうよ、翔。彼は貴方の息子、翔二よ!」 その声に僕が振り返ると、先ほどの女の子と手を繋いだ一人の女性がそこに立っていた。 歳を重ね深く皺を刻んだ顔・・。でも僕はそれが誰なのか分かった。 「・・茜・・」 僕が呟くと、その女性は嬉しそうに頷いた。 「翔二、代わってくれる?」 そう女性が言うと横の男性が立ち上がった。 「お父さん、僕は貴方をずっと誇りにしていた。貴方の勇気と祖父や母への想い。それがこの奇跡を起こしたんだ。詳細は母が説明してくれる。でも逢えて本当に嬉しかった。ありがとう、お父さん」 彼はそう言いながら僕に右手を伸ばした。僕はその手を握りしめた。彼の手はとても暖かく、僕はこれが夢で無いことを実感していた。 代わって茜が僕の隣に腰を降ろした。
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