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僕の決断
茜をいつもの砂浜に呼び出し、その決心を彼女に伝えた。
「茜、僕は君との婚約を破棄するよ」
「えっ? 翔・・。それはどういう意味?」
「僕は君の家の財力を狙って君と結婚するつもりだった。もう無一文になった君達と心中するつもりは無い」
茜が悲痛な顔で大粒の涙を流しているのが分かったが、僕の決心は揺らがなかった。
「私達の赤ちゃんはどうするの?」
「勝手にするんだな。産むんだったら養育費ぐらいは送るよ。じゃあな」
僕は踵を返すと茜を置いて砂浜を離れた。
振り返ると茜が蹲って泣いているのが見える。テイトと夏姫が僕に向かって大きな声で吠えていた。
僕は頬を涙が流れているのを感じていた。
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