プロポーズ、そして

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プロポーズ、そして

就職が決まった日、僕と茜はいつもの砂浜に居た。 足元にはテイトとテイトの娘の夏姫、二匹のポメラニアンが僕達を見上げて尻尾を振っている。 「翔。就職おめでとう。凄いよ。あのスペースYに採用されるなんて。でも暫くは日本とアメリカで遠距離恋愛だね!」 そう嬉しそうに話す茜を見ながら僕はポケットから指輪を取り出し彼女に差し出した。 「えっ?」 茜が混乱した表情を浮かべ、指輪と僕を交互に見つめている。 「少し待たせてしまうけど、スペースYで成果を出したら君と結婚したい。プロポーズを受けてくれるかい?」 茜の瞳に大粒の涙が浮かんでいるのが見える。でもその顔は満面の笑顔だ。 「うん、翔。嬉しい。ありがとう。待ってる・・ね」 そう言う茜を僕は力強く抱きしめた。 足元でテイトと夏姫がワンワンと鳴きながら走り回っている。彼等も喜んでくれているんだ。 そして頭上で輝く満点の星空が、僕らの将来を祝福してくれていた。
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