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その時……
トントン……トントン……
「ん? 何の音だ?」
父は食器をテーブルに戻した。
全員、周りを見回した。
トントン……トントン……
えっ? と全員、顔を見合わせ、頭上の玄関ドアを見上げた。
すると、そのドアが開き、まばゆい光が差し込んできた。
「あれ……? 何だ……?」
フミヤは見上げながら立ち上がった。
その光は、どんどん強烈になっていった。
まるで、巨大なライト数台分という感じの光だった。
あまりの眩しさに、全員、手を目に当ててしまった。
その光は、指の間からも漏れるほどだった。
やがて、ドアの閉まる音が下の方から聞こえ、光は、スーッと消えた。
全員、手を目から離した。
そして呆然と周りを見回し……
「あれー……」
「あらま……」
「なんと、なかと……」
「これって、どういうこと……?」
家の様子が、元に戻っていたのだ。
リフォーム前の我が家に……。
――終――
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