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翌朝……
顔を洗おうと、2階の自室から出たフミヤは、驚いて、
「なんだこりぁー!!」
その声に、1階から顔を出した両親と、3階から姿を見せたミキは、やはり
驚いて、叫んだ。
「なんだこりぁー!!」
自宅の構造が変形の三階建てになっていて、妹のミキの部屋と階段が移動していたのだ。
2階から1階に設置してある2本の階段も、ユニークな曲線を描くように
曲がっていて、1本の階段は新たに出現した3階に伸びていた。
さらに1階にあった玄関は、あろうことか天井に移動していたのだ。
まるで天窓のように……。
母とミキは、あまりのショックで倒れでしまった。
それを見た父は、母をベッドに運び、フミヤは、3階まで行ってミキをベッドに運んだ。
元々は、両親の部屋は1階だったが、ミキの部屋は2階のフミヤの向かいに
在ったハズだったのだ。
父とフミヤは、1階のリビングのソファーに座ると、
「どうして、こんな事に……?」
「さー……。まったく訳が分からないよ……」
「誰かのイタズラにしては、スケールがデカ過ぎる……」
「とにかく何か食べないと……」
フミヤはキッチンへ向かった。
「お前は、さすがに若いな……」
父は頭を抱えてしまった。
「父さんは、どうする?」
「私はいいよ」
そして、つぶやくように、
「よく、3階建てはいいな……とか、言っていたためかな……」
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