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プロローグ
ずっと、運命の人を探していた。
小指から繋がる赤い糸の先にいる、私だけを一途に愛してくれる素敵なひと。
その運命の人が今、私の目の前に現れた。
「はじめまして、桜さん。伊奈 周一郎と申します。あなたのような素敵な女性と出会えるなんて、僕はよっぽど幸運な男のようだ」
彼の目を見た瞬間に稲妻が走り、散った火花がきらきらとその周りで星のように輝いている。甘いバリトンボイスも、きりっとした精悍な顔つきも、少しごつごつした逞しい手も、すべてが私の思い描いた運命の人そのものだった。
ああ、生きててよかった。
婚活パーティー、来てよかった──!
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