希望の職種は公務員

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「大長老!何考えてるんですか!」  給湯室に入るや否や、セーファスは開口一番ホイットニーを叱りつけた。 「何って、わしは別に変なことはしとらんぞ?」 「してるでしょう?ずっと変だと思ってたんですよ。ここは内陸地なのにどうして高波の音が聞こえるんだろう?って」  セーファスはそう言い放つと、ホイットニーの右手から黒い物体を奪い取った。 「大長老、あなたこのリモコンでわざと高波の音を流してましたね?ラジカセの電源を入れて」 「……あぁ、悪いかの?」  悪びれる様子もなく、ホイットニーはセーファスに尋ねた。 「悪いに決まってるでしょ?どうしてあんな音をかけたんですか?如月さんを茶化してるみたいじゃないですか!」 「セーファスよ、何を言っておるのじゃ?わしは茶化してなどおらぬぞ?壮絶な人生を自ら告白するとなったら、荒波の音がバックに響くと昔から決まっておるじゃろう?」 「誰が決めたんですか!大長老が勝手に決めたんでしょ?」 「そんなことはないわい。それに本当は場所もこんな神殿の面談室など使いたくないのじゃ。やはり海を一望できる崖の上が一番ええのじゃが……そこにテーマソングを重ねたら更にクライマックスの雰囲気が出るのじゃが、惜しいのぅ」 「何が海を一望できる崖の上ですか!昔の2時間サスペンスドラマじゃあるまいし。いい加減ミステリーチャンネルから離れてください!」 「……つまらんのう」 「そういう問題じゃありません!」 「お主は仕事とミステリーとどっちが大事なのじゃ?」 「仕事と家庭とどっちが大事なの?みたいに言わない!さ、面談に戻りますよ!」 「……うむ」  ホイットニーは面白くない顔をしながらセーファスの後をついていった。
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