経験は、光となる

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「こんにちは!」  スーツを身に纏った如月が菓子折りを持ってやって来たのだ。 「おぉっ!お主、大活躍なようじゃの?」  ホイットニーがそう声をかけると、満面の笑みで如月が駆け寄ってきた。 「はい。お陰様でなんとか頑張っています。私のような子を生み出さないために、そして不幸にもそうなってしまった子を1人でも救えるように、頑張ります!」 「うむうむ。それでコレは、あるのかの?」  ホイットニーは右手で何かを見せるようなポーズを取った。 「あぁ、警察手帳ですね。はい」  如月が見せた警察手帳には写真が掲載され、その下に「巡査 如月さつき」と書かれている。 「おぉ、これじゃ。聞き込みの時とかにこうやって見せるんじゃろ?」  ホイットニーは得意げに、どこかの番組で見た刑事のまねごとをして見せた。如月はどこか誇らしげな顔でホイットニーを見つめている。 「今後も頑張って仕事に励みなされよ」  そう言うホイットニーに如月は深く一礼し、転職相談所をあとにしていった。
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