幸せのお裾分け

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幸せのお裾分け

待ちに待っていた、2日連チャンのフェス!!天気も最高♪ダーツ仲間であり、フェス仲間であるユータくんとビール片手に青空の下、ご機嫌に飲みまくる俺♪ 周りにはカップルで来てる人もいるが、俺は寂しくない!ビール片手に撮った楽しそうな写真をアカリ姫に送ると…すぐではないが、返信がきた。 「いいな♪楽しそう♪行ってみたい!」そんなアカリ姫の返信を見て、余計に上機嫌だ…勝手に来年はアカリ姫と来る想像だけで、俺は幸せだ。 ふとオバハンにも同じ写真を送ってみた…最近、元気がないし、俺のフェスのせいで店も休みしちゃったから、せめて雰囲気だけでもお裾分けしてやろうという俺の嫌がらせに等しい優しさだった。あのオバハンに、ウザッとかイラッとか返信させれば、多少は元気になった証拠だと言えるし、何やかんや言いながらも俺は優しい男だから心配はしている。 すぐに既読になった! 「青空の下、最高やないか!旨そうなビールだこと!しっかり楽しんで戻ってきたら、私にも最高の一杯を作ってよね♪なけなしのバイト代で飲むマルの酒が、私の唯一の贅沢なんだからさ!私が出来ない事や行けないとこの話や写真って、そうやって見たり聞いたり教えてくれたら、気分だけ行った気になれるぜ♪幸せのお裾分け、ありがとう!元気でた!」やけに素直なLINEだ…また何かあったのかもしれない。 近頃は遅くまで店で二人で話して、俺も話を聞いてもらって元気がない時は、帰り道にコンビニにタバコを買いに寄るとオバハンは言って、実は俺に缶酎ハイや食べ物など買ってくれたりする。持ちつ持たれつではないけど、俺も定時だからと閉めずに話を聞いてあげたり、帰りを送ってあげたりしている。 「戻ったら、最高の一杯を作って、またしっかり聞いてやるよ!」と返信した…まるでカップルじゃないかとユータくんには相変わらずツッコまれるが、俺の心は今日のライヴとアカリ姫にあるのだ!! だけど、俺の作る酒を唯一の贅沢だと楽しみに待ってくれてる言葉に、俺は素直に嬉しかった。プライベートな理由で店を休んだが、こんなに楽しみにしてるお客さんがいるという事を改めて気付いて、また仕事のヤル気が沸いたのだった。
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